1. 現在のウェブ制作業界のトレンド
近年、ウェブ制作業界では従来のWordPressを中心としたモノリシックな構成から、より高速で柔軟なサイト構築を可能にする「ヘッドレスCMS」や「Jamstack(JavaScript、API、Markup)」といったモダンな開発手法への移行が注目されています。これは、ユーザー体験(UX)の向上、セキュリティの強化、パフォーマンス改善など、多様化するクライアントニーズに応えるための進化といえます。
従来のWordPressは、豊富なテーマやプラグインを活用した手軽なサイト構築が可能で、特に小規模サイトやブログ運営において広く利用されてきました。しかし、現在では次のような課題が浮き彫りになっています:
・サーバー負荷によるパフォーマンス低下。
・プラグインの依存による脆弱性。
・動的処理が多くなるとスケーラビリティに限界が生じる。
一方で、ヘッドレスCMSやJamstackを利用した開発手法は、こうした課題を克服するための選択肢として急速に普及しています。特に、静的なコンテンツの生成、APIを利用したデータ管理、Reactなどの最新フロントエンド技術の活用によって、高速かつ安全なウェブサイトの構築が可能です。
弊社では、これらの業界トレンドを受け、従来のWordPressを活用したサイト構築に加え、ヘッドレスCMSやJamstackを採用したモダンな制作体制へと移行しました。この見直しにより、クライアントに対して、より柔軟で拡張性のあるソリューションを提供できるようになりました。
2. なぜWordPressから移行を考えたのか
WordPressはこれまで多くの企業や個人にとって最適なCMSでした。豊富なテーマやプラグイン、ユーザーフレンドリーな管理画面により、短期間でのサイト構築が可能だからです。
しかし、近年では前述のように以下のような課題が挙げられるようになりました:
パフォーマンスの問題:プラグインやサーバー負荷が多い場合、ページの読み込み速度が低下しやすい。
セキュリティリスク:プラグインの脆弱性やバージョン管理の問題が頻発。
管理の複雑さ:規模の大きなサイトや複雑な要件の場合、管理やカスタマイズが煩雑になる。
これらの課題を解決し、さらにクライアントの期待を超えるサイトを提供するために、より効率的でモダンな開発手法へ移行する必要性を感じました。
3. モダンな開発体制の選択理由
弊社が採用した技術スタックについて、それぞれの理由を簡単にご紹介します。
MicroCMSの採用理由
直感的で使いやすい管理画面により、クライアントが簡単に更新作業を行える。
APIベースの設計で、フロントエンド技術に縛られない自由度。
プラグイン依存がなく、セキュリティ性が高い。
Next.jsの採用理由
静的サイト生成(SSG)とサーバーサイドレンダリング(SSR)の両方に対応し、SEOやパフォーマンスに強い。
Reactベースの開発で再利用可能なコンポーネントを構築可能。
柔軟なルーティングと開発速度の向上。
Netlifyの採用理由
Git連携でデプロイが自動化され、開発フローが簡潔化。
グローバルCDNを利用した高速配信。
サーバーレス機能による柔軟な機能拡張。
4. モダン開発体制のメリット
パフォーマンス向上:静的サイト生成やCDNを活用することで、ページの読み込み速度が大幅に改善。
セキュリティ強化:動的なバックエンドを排除し、攻撃対象が減少。
スケーラビリティの向上:大規模なサイトや多言語対応が柔軟に行える。
クライアント操作性の向上:MicroCMSの直感的なUIにより、コンテンツ更新が簡単。
メンテナンス性の向上:依存関係が減り、長期的な保守が容易に。
5. モダン開発体制のデメリット
初期学習コスト:開発者にとっては、ReactやAPIベースの開発の習得が必要。
運用コスト:MicroCMSやNetlifyは商用サービスであるため、ランニングコストが発生。
プラグインの少なさ:WordPressと比べ、既存のプラグインに頼らず機能を構築する必要がある。
6. 移行のプロセスと実際の事例
弊社では、以下のプロセスで移行を行いました
既存サイトの要件洗い出し:WordPressサイトの機能や構造を分析。
CMSとフレームワークの選定:案件ごとに最適な技術スタックを選択。
開発と移行:デザインをReactコンポーネント化し、MicroCMSを統合。
トレーニングと運用支援:クライアントがスムーズに利用できるようサポート。
実例として、A社のコーポレートサイトをMicroCMSとNext.jsに移行した結果、以下の成果が得られました:
・ページ読み込み速度が2秒以上短縮。
・サイト管理者が独自に更新できる範囲が拡大。
・SEOスコアが向上し、検索流入が増加。
7. これからのウェブ制作に求められるもの
現代のウェブ制作では、単に見た目や機能を提供するだけでなく、サイトの高速性やセキュリティ、運用のしやすさが重要な要素となっています。
弊社は、これらの要件に応えるため、WordPressだけでなく、ヘッドレスCMSやJamstackを活用したモダンなウェブ制作を提案し続けます。
これにより、クライアントのビジネス価値を最大限に引き出すお手伝いをいたします。
8.終わりに
とまあ、色々と書いてきましたが、ここから実感ベースの本音を。
たしかにパフォーマンス面からは脱WordPressは魅力的な選択肢ではありますが、やはり制作費用もあがってしまいますし、単純なコーポレートサイトを持ちたいお客様にとってはオーバースペックな気もするというのが本音です。
お問い合わせフォームなど一つとっても、プラグインを入れるだけで実装が済んでしまうWordPressは便利です。
また、保守に関しても言語のアップグレードなどを考えると、WordPressに比べて繊細な作業が必要となり、こちらのコストもバカにできません。
このへんはお客様の課題に合わせたホームページ作りが必要になるなー、と考える次第です。
あなたのビジネスに最適なウェブ制作を
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